日々医療の現場で働かれる医療従事者の皆様、”自己研鑽”がいろいろとニュースやSNSなどで話題となっていますが、日々の業務とは別に、学術活動や業務の質を上げるための勉強・・・捗っていますでしょうか。
本記事では、特に新人さんや、2年目3年目さんなどこれから担当業務の拡大をされていく若手へ向けた、参考書選びの手助けとなるような参考書紹介記事とさせていただきます。
私Moegi自身が参考書を沢山所有しているだけではなく、職場においても参考書の共同購入をしておりますので、様々な参考書を見てきた経験が活かせます。

臨床工学技士という立場からの紹介ですが、心カテ・アブレーション業務・循環管理は特に他職種連携が盛んな業務ですので、看護師さんをはじめ様々なコメディカルの方の参考になると幸いです。
またそれに付随して、特にわかりにくいペースメーカーや心電図に関する参考書も併せて紹介しています。


Moegi
- 取得資格
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臨床工学技士(CE)、ITE 心血管インターベンション技師、ME1種検定試験
- 得意領域
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カテーテル、アフェレシス、内視鏡、機器管理など
大学病院での幅広い勤務実績をもとに、臨床工学技士業務全般執筆しております。
領域ごとに紹介していきますので、是非、お気に入りの参考書を見つけてみてください。
今回は、「循環器(虚血、不整脈)」編です。
心電図に関わる参考書
実力心電図: 「読める」のその先へ【改訂版】
日本不整脈心電学会が出している「実力心電図」です。2022年に改訂版が出されて、当初は品切れになる勢いであり、私は入手できなかったのですが、最近購入することができました。
心電図の判読のポイント、発生のメカニズムが記載されていて、12誘導をこれから学びたいという方にお勧めする1冊です。
なお、改定前のものは高騰しており、改訂版の方が安価であることがありますのでご注意ください。


心電図の読み方パーフェクトマニュアル―理論と波形パターンで徹底トレーニング!
こちらも有名な1冊であり、公式の心電図検定問題集の内容にかなり即したものとなっているようです。
レビュー情報からもこの1冊暗記すれば心電図検定1級は合格はできるとのこと。
ただ、出版が2006年となっているため、最近のトレンドは網羅できていないかもしれない点にご注意ください。


講義+試験対策模擬問題100問 心電図マイスターを目指す基礎力grade up講座
本書は心電図検定1級を目指すための問題集となっています。
心筋梗塞部位の予想、不整脈起源の推定、不整脈の鑑別などの問題が出題されています。
カラー図解 人体の正常構造と機能〈2〉循環器【改訂第4版】
心臓や血管に関する解剖が図表で分かりやすく解説されています。
また、心電図の起源や心収縮の原理、心臓の発生なども解説されています。
心臓外科医が描いた正しい心臓解剖図 増訂版: 透視図→心カテ 断面図→心エコー 見たいところが見える
その名の通り、教科書的なイラストではなく、透視図と断面図が掲載されており、心臓の詳細な解剖が掲載されています。
解剖書では見られない、心臓外科医の先生が描かれる参考書となっております。
解剖を理解してこそ面白くなる領域だと思います。


心臓カテーテル業務におすすめの参考書
確実に身につく心臓カテーテル検査の基本とコツ 第3版〜冠動脈造影所見+シェーマで、血管の走行と病変が読める!
心カテ業務で必要な基本的な内容が盛り込まれています。
普段は後輩に貸しているオススメの1冊です。 当ブログの参考資料としても重宝しています。


確実に身につくPCIの基本とコツ 第3版〜カラー写真と動画でわかるデバイスの選択・基本手技と施行困難例へのテクニック
上記同様、PCIにフォーカスされた内容で、心カテ業務のメインともいえるPCIについての参考書です。
やはり、これから心カテ業務を担当される方へオススメします。
PCIで使い倒す IVUS徹底活用術
私がIVUSの勉強で使用したものです。
所見の解析方法などIVUSを使いこなすための事が記載されています。
IVUSにまだ慣れていない方にお勧めします。


PCIで使い倒す OCT/OFDI徹底活用術
Moegi愛用「IVUS編」のOCT&OFDI verです。
あの大阪府済生会中津病院監修ですね。 OCT/OFDIガイドの知識とテクニックが凝縮されています。


WCCMのコメディカルによるコメディカルのための「PCIを知る。」セミナー: つねに満員・キャンセル待ちの大人気セミナーが目の前で始まる!
大人気セミナーの「講演内容をもっと詳しく知りたい」という声から1冊の本になった、スライドもそのまま収載されています。
カテ業務に入る予定の初心者さんへオススメの1冊です。
格段にうまくいくEVTの基本とコツ 第3版〜症例でわかるデバイスの選択・操作とトラブルシューティング
PCIはこなせるようになってきたけど、EVTは難しいなと感じている方へ。
ワイヤー通過困難症例やperforation時などに対するトラブルシューティングなども充実しています。
心臓カテーテル介助 スタンダードマニュアル
タスクシフトに向け、心カテ業務における1stの介助、2ndにfocusが当てられている参考書です。
写真付きで解説されており、デバイスの具体的な操作・手順、カテ台の操作、トラブルシューティングなどが網羅されています。


限られた時間での対応にもう悩まない!緊急PCIマニュアル
若手医師やカテ室スタッフ向けの参考書です。
緊急カテを実施する上での、準備、通常の待機的PCIと異なるポイント、治療デバイスや治療ストラテジーなども解説されています。
上級医を目指す循環器治療手技 PCI
私が最近(2024年3月)購入した参考書です。もう1段階知識をレベルアップしようと購入しました。
完全に医師向けではありますが、ある程度のレベルに到達された中堅さんからもオススメする内容となっております。
ガイカテ、ガイドワイヤー、バルーン、ステント・・・と、それぞれcase紹介されています。
PCIエキスパートになるための28カ条
こちらもPCIについて一通り押さえた若手医師向け参考書とはなっておりますが、術者が何を考えてPCIをされているのかを学ぶことができます。
循環管理に関わる参考書
循環器のトビラ 循環器には興味がある でもちょっと苦手 そんな皆さんようこそ
私達CEは循環器領域に深く関わります。
ACS、心不全、不整脈、下肢動脈疾患、etc…様々な循環器疾患に付き合っていくことになります。
循環器領域でポイントとなることが詰め込まれています。
王道 循環器診療のエッセンスを学ぶ白のカルテ &
考究 循環器診療の奥深さを学ぶ黒のカルテ
上記同様、循環器領域に深く関わるCEさん向けの参考書です。
典型症例、難症例も基に展開される内容で、”白のカルテ”、”黒のカルテ”の2冊が互いに補完する構成となっています。
循環とは何か? 虜になる循環の生理学
大きな声では言えないのですが、後輩達数名が所持していました。 そして、私も購入しています。
生理学や数式から循環を学ぶ参考書です。 グリコカリックス理論等についても触れられています。


ペースメーカー・アブレーション業務に関わる参考書
やさしくわかるカテーテルアブレーション〜治療のキホンと流れを理解して、アブレーションへの「苦手」をなくす!
アブレーション業務に入り始める人、アブレーションのことを知りたい人にオススメの1冊です。
治療の流れやデバイスの特徴などが易しく解説されています。
ペースメーカー・ICD・CRT実践ハンドブック
PM、ICD、CRTなどCIEDsを扱う技士、看護師、調整を行うデバイスメーカーの担当者にとって非常に有用な1冊です。
原書は世界的にも高名な医師による名著となっております。


格段にうまくいく カテーテルアブレーションの基本とコツ 改訂版〜エキスパートが教える安全・確実な手技と合併症対策
web動画や新たな機器の適切な使用法が追加された2020年改訂版。
現在施行されているアブレーション法をすべて網羅して解説されている1冊です。


植込み型心臓不整脈デバイス認定⼠公式テキスト
書名変更版となります。認定士制度学習 指導要綱を元に項立てされており、認定試験受験者必読のテキストとなっております。不整脈デバイス治療に関わる方にオススメします。


動画と写真でまるわかり! ペースメーカ (臨床工学技術ヴィジュアルシリーズ)
臨床工学技術ヴィジュアルシリーズのペースメーカ編です。
これまでわかりやすい写真で説明されている人気シリーズです。
対象は学生、看護師、新人CEです。


さいごに
私達が扱う専門分野の内容は、インターネットで調べるのにも限界がありますので、どうしても専門書を購入する必要があります。
専門書は本当に1冊1冊が高価なものなので、良く吟味してご購入ください。
中には1冊数万円するものも・・・。
そして、私達CEじゃーなるは可能な限り、専門的な分野のブログを開拓して、読者の皆様と勉強させていただきたいと思っています。
「血液浄化」、「呼吸療法」、「人工心肺」編もよろしくお願いしますす。
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