本記事では国家試験の直前対策についてご紹介したいと考えます。
筆者Moegiと相方は国試対策をどのようにしていたかは別記事でそれぞれ執筆しております。
是非、そちらもご参考にしていただければと思います。
国試直前対策に取り掛かる前に
この記事に来られた方は、臨床実習、就活、卒研が落ち着いた頃かと思われます。
まずはお疲れ様でした。
もちろん、このご時世ですから就活真っ最中であったり、求人待ちであったりという方もいらっしゃるかとは思いますが引き続き頑張ってください。
さて、「直前」とは言いましたが、どこからが「直前」なのか定義はありません。個人的には上記の実習や就活が落ち着いてきた秋頃からと思っています。
現時点で模試の成績が合格に達していなくても焦る必要性はないかと思われます。
ゆっくりしている時間は無いですが、やり方一つで順調に伸ばしたり、一気に伸びたりします。
逆に遊び倒したり、サボり続けている方は・・・言うまでもないでしょう。
「何のための勉強?」と思っている方へ
今勉強しているのは、国試のための勉強となります。就職してから国試の知識というのはほとんど使用せずに不要であり忘れることになります。・・・いえ、国試を終えたら忘れても結構なんです。
今を10月や11月としたとき、たった4ヶ月程度一生懸命に勉強するだけです。
結局のところ、108点だろうが170点取って合格しようが同じ国家資格です。
学生時代の成績なんて、就活でのアピールで有利になる程度にしか思っていません。
なので、「国試までの数ヶ月だけ一生懸命勉強し、国試後は綺麗さっぱりに忘れよう!!」ってくらいの気持ちで挑みましょう。
就職したら嫌でも専門別に勉強しなければなりませんし、好きなだけ好きな勉強したら良いと思います、いえ、是非勉強してくださいね。
合格点は・・・?
今更確認することではありませんが、国家試験は毎年3月第一日曜日に実施されますね。
午前90問、午後90問の計180問あり、合格点はME2種や1種のように変動せずにどの年でも一律108点(6割)以上です。
先述しましたが、108点だろうが170点だろうが合格してしまえば国家資格としての価値は同じですし、仕事をする上ではスタートラインは同じです。
あとは臨床向きの知識がどれだけ備わっているかの差になりますが・・・。
・・・と、何故点数の話をしたかと言いますと、養成校ごとに実施される国試模試や年3回実施される統一模試の点数が当日国試の点数の目安となるので意識付けして欲しいからです。
模試の目安は?
国試を余裕をもって合格できる、完全な個人的私見ですが以下が目安と考えております。
もう一度言います、個人的な意見です。過去問は見たことある問題が出てくるため、本番より高くなる傾向にあります。
※全て最終学年の月です。
◆ 4月時点:90~100点(この時点で108点欲しいところ)
◆ 10月時点:120~130点(140点が理想)
→ 実習終わったくらいですね。
◆ 1月時点:150点
→ 就活も落ち着いた頃でしょうか。
◆ 2月時点:160点
→ このあたりでこの問題何回目?ってくらいになってるはず。Moegiはここでは170点台でした。
統一模試は?
さて、学生の皆さんの中でも噂となっている統一模試ですが、11月、12月、1月と3回行われる全国模試のことです。
この統一模試は国試の過去問を基に出題傾向を考え出して、日本臨床工学技士教育施設協議会の教員が作成しており、国試よりやや難しく作成されてります。
よって、通常の国試模試よりは-20点くらいの体感でしょうか。逆に考えると統一模試の+20点が当日の点数の目安となります。
残念ながら、統一模試の結果は捨ててしまい点数も忘れてしまいましたが、全国順位40位だった気がします。
実際の対策は?
では、本題に入ります。
国試直前対策と言えば、先生から、優秀な友人から、親戚から口煩く言われていることですが、ズバリ過去問を解きまくることです。
「・・・んなことわかってますわっ!」という声が聞こえますのでもっと具体的に。
最低解説付きの問題集を過去5年分ですね。国試の問題は2年ごとに問題作成者が入れ替わるそうですが、5年分解けば傾向が掴めるとも言われています。
解く→採点する→間違えた問題は解説を読み復習する→それでも理解できなければ参考書参照or友人に訊くのが良いでしょう。
そして当然ですが過去5年分は何周もします。計算問題ではない単純な知識問題は「これ何回も見たわ!これや!」・・・と瞬殺できるくらいにし、計算問題はパターンを覚え込みます。
・・・まぁ、計算問題は公式覚えずに解く方法はありますが、それはまた別の機会に・・・。
別記事にも記載していますが、私Moegiは日本臨床工学技士教育施設協議会が出している過去問集を10年分を何周か解きました。
対策その2(output作業)
さて、問題を解いて解説を読み復習する作業は、いわゆるinput作業ですね。
もちろん、問題を正解を選択するという作業はoutputかもしれませんが、「これ合っているかな、自信ないな」と思いながら選択した問題の解答を確認する作業はinputと考えます。
大事なのはoutputの作業ですね。
何気なく友人達と問題を出し合ったり、教え合ったりして解説する作業が実はoutputの作業と言えます。
こちらに関しては、国試対策【Moegi編】でもご紹介しておりますのでご参考に。
対策その3(個人的推奨)
良くどの教科から対策すれば良いか?と、実習生から質問を受けます。
一度メイン教科をざっとおさらいしましょう。
細かく分類すると、33教科あるようですが無視しますね。
- 生体機能代行装置学
- 臨床医学総論
- 医用治療機器学
- 医用機器安全管理学
- 生体計測装置学
- 医学概論
- 医用電気工学
- 医用電子工学
- 医用機械工学
- 生体物性/材料工学
そして、個人的私見ですが、点数が伸びる順番というのは、苦手な科目から攻めることですね。
というのも、得意な科目を伸ばすのと苦手な科目を伸ばすのでは、伸びしろは圧倒的に後者が上です。
個人的オススメは、各養成校の先生が作成されている、カテゴリー別問題プリントをやり込むのが近道と考えます(それがある学校なら良いですが・・・。)。
カテゴリー別問題集が無いのであれば、「過去問問題集の第何問から何問は電気電子工学が出題されているから、今日は5年分の電気電子工学の部分だけ解いてみるか」といった活用方法もオススメです。
具体的な例として、例えば電気電子工学を勉強したいとします。
ご存じの通り国試の問題構成は毎年同じとなっておりますので、
電気電子であれば午前46問~55問、午後午前46問~53問(情報科学と混ざり多少前後あり)、
機械工学(生体物性等含む)であれば午前80問~90問、午後午前80問~90問あたり
などとなっておりますので、問題集1年分180問を解くのではなく、「この科目のここからここまでを〇年分解く」といった方法は私個人的にはオススメします。
問題集は最初から順番に180問解かないといけないというルールはありません。
むしろ、ランダムに出題されず教科ごとにまとまって出題されることを利用しましょう。
こちらの過去問題解説集は一般社団法人日本臨床工学技士教育施設協議会が編集しているいわば公式認定の国家試験攻略本であり、過去問と回答のみならず、一問ずつ詳細な問題の解説が書かれている解説本です。
それ以前の過去問です。
在庫の無くなる前に早めの確保、そして学習をお勧めします。
満遍なく苦手ですという方に・・・
上記では苦手な科目からするように勧めましたが、一定数「得意な科目は無く、苦手教科ばかりなので、どれからやったら良いですか?」という実習生もいるのが現状です。
というわけで、先述した科目の個人的優先順位を示したいと思います。
ただし、得意不得意で2パターンに分けますね。
【パターンA】
① 生体機能代行装置学
② 医用治療機器学
③ 医用機器安全管理学
④ 生体計測装置学
⑤ 臨床医学総論
⑥ 医用電気工学
⑦ 医用電子工学
⑧ 医用機械工学
⑨ 医学概論
⑩ 生体物性/材料工学
【パターンB】
① 生体機能代行装置学
② 医用治療機器学
③ 医用電気工学
④ 医用電子工学
⑤ 医用機械工学
⑥ 医用機器安全管理学
⑦ 生体計測装置学
⑧ 臨床医学総論
⑨ 医学概論
⑩ 生体物性/材料工学
AとBの共通点について
パターンAとパターンBの共通点は、優先度が高い科目が①生体機能代行装置学と②医用治療機器学ということです。
単純にCEとして優先度が高い科目ということだけではなく、勉強すればすぐに点数が上がることが特徴ですね。
何から手を付けたら良いか困った際は、この2科目から勉強すると良いでしょう。
パターンA
パターンAは、暗記が得意な方向けですね。
電気電子工学と機械工学がどうしても苦手、でも暗記なら自身があるという場合の優先度でしょう。
パターンB
パターンBは、計算が得意な方向けですね。
数学や物理が元々得意で、暗記はちょっと・・・でも数値も得意といった感じの方にオススメです。
優先度が高い生体機能代行装置学と医用治療機器学というのは変わらないのですが、そのあたりの順番は個々にお任せですね。
特に電気電子工学は、問題数がそれなりにウエイトを占めているので、こちらを優先することは大いにアリです。
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さて、参考書は国家試験合格に必要最低限必要な投資とはいえ、学生のお財布にはちょっと心苦しい内容なので、ここで一つ提案を。
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私自身こういうポイ活の情報を学生時代から集めていましたから、国試の参考書もこれを使って揃えました。
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さいごに
以上で国試直前対策についての記事でした。
今回は比較的短期間向け記事となります。ロングスパンでの国試対策は「国試対策【Moegi編】」にてご紹介しております。
また相方の記事ですが、「国試対策に揃えておきたい参考書」をまとめているので、こちらを参照してみてもいいかもしれません。
なお同じテーマで共同執筆者の相方も国試対策記事を執筆しております。「臨床工学技士 国家試験対策ー実質2ヶ月で合格した編集部編ー」なんてすごいタイトルの通り、1月から本気になって国試を仕上げてきた短期集中型の相方の記事もあるのでよければ参考にしてみてください。
国試対策で困っていることがあれば、気軽にDM等していただいて構いません。
皆さんの国試対策を少しでもお力になれればっと思っております。
コメント
コメント一覧 (2件)
はじめまして
だいぶ前に、養成校は卒業して現在は
医療とは関係無い仕事しながら帰宅後や週末に
過去問メインで勉強してる綿貫といいます。
何年か前から再トライで勉強開始して
最近の本番では、100〜105問の正解になりますがどうしても不合格になっている感じです。
なかなかまとまった勉強時間も確保出来ずに受験になってるのが現状で上手く対策が取れません。苦手分野としては医学問題と計算問題がメインでその他はどうしても知識が虫喰い状態になったり覚えきれない感じの連続になります。
ポケットレビュー帳や分野別で最近発行されたCheck up2023もあり必要に応じて読んだりしてますが色々とストレスも溜まりうまくいってない感じです。アドバイスなど有りますか?
なお、ME2種は卒業してから独学でなんとか合格できました。文章長くなりスミマセン。
即答する内容ではないと思い、返信にお時間取って申し訳ありません。Moegiから返答させていただきます。
過去問メインと仰っておりますので、そちらに合わせた勉強法をいくつか提案させていただこうと思います。
確かにただ過去問を180問解いていく「作業」になるのでストレスになるのは困ることです。
ME2種は本当に国試合格する上では最低ライン合格するべき資格であるのは言うまでもないかと思われます。
ただし、ME2種は個人的には工学系寄りの内容で医学系の問題が薄いとの認識です。
「苦手分野としては医学問題と計算問題」とありますが、比較的解けるのは、医療安全管理学、治療機器学、生体代行装置学(血液浄化、呼吸療法、体外循環)などの暗記科目ということでしょうか。
暗記、計算どちらも下記方法は有効だと考えます。大事なのはどれだけ反復して問題と出会うかだと私は考えます。
1.「間違えた問題集」を作成
こちらは大勢の方がされているかもしれません。間違えた問題をノートに書きこんだり印刷して貼り付けてまとめる。
そして、時間が経過したら再度解いて、迷わずに正解したら斜線なり塗りつぶしなりして消していく・・・というものです。
つまりは間違えた問題=覚えていない問題、何度も間違えて残った問題=苦手な問題・・・というわけです。
2. カテゴリー別(科目別)に解く
養成校では血液浄化だけ、呼吸療法だけ、電子工学だけ・・・といった風に、科目別に国試問題集を解くといったものです。
「今は得意な分野解いている時間は勿体無いな、苦手な分野に時間をかけたい」といった方向けです。
「ポケットレビュー帳や分野別で最近発行されたCheck up2023もあり必要に応じて読んだりしてます」とありますが、この方法ではひたすら同じ科目を解いていく方法になります。
5年、10年分も解けば「順番並べ替えた、数値を変えただけの問題いっぱいあるやん。」、「似たような問題が繰り返されているな」と思えたらこの方法をやった意味が出てくると思います。
具体的な例として、例えば電気電子工学を勉強したいとします。ご存じの通り国試の問題構成は毎年同じとなっておりますので、
電気電子であれば午前46問~55問、午後午前46問~53問(情報科学と混ざり多少前後あり)を、
機械工学(生体物性等含む)であれば午前80問~90問、午後午前80問~90問などとなっておりますので、
問題集1年分180問を解くのではなく、「この科目のここからここまでを〇年分解く」といった方法は私個人的にはオススメします。
3. 数値系の暗記について
生体計測学など覚えないといけない数値が膨大になってくるかと思います。これに関しては覚えてください、としか言えないのですが、どう覚えるか工夫をすべきかと。
私の場合、公式は覚えられるのですが、細かい数値を覚えるのが苦手でした。有名な語呂合わせがあるものはすぐ覚えられるのですが、当然すべての内容で語呂合わせするのは困難です。
・・・困難ですと言っときながら、私は無理やりにでも語呂合わせみたいなものを自分用に作っていきました。
有名な語呂として心電図の胸部誘導の電極の色がありますね。「あけみちゃん国試(赤黄緑茶黒紫)」など、有名どころはすぐに頭に入ってきます。
そして問題なのが自分用に語呂を作成するというのですが、印象に残るほど有効です。
例えば、脳波の周波数で、δ波(0.5-4[Hz])、θ波(4-8[Hz])、α波(8-13[Hz])、β波(13-30[Hz])、γ波(30~[Hz])というのは非常に覚えにくいです。
これを「おこしやす、十三、みつを」と覚えました。つまり、「よくぞ十三までお越しくださいました、みつをさん」といった様な語呂を考えるわけです。
ちなみに、おこ(0.5)し(4)やす(8)、十三(じゅうそう、13)、みつを(30)ですね。
レーザーの波長なども無理やり語呂にしたものです。「角膜に小石ある」→「角膜で使用、514[nm]のArレーザー」。ご自身で印象に残る覚え方が良いと思います。
以上で返答とさせていただきたいと思います。もちろん随時質問は受け付けさせていただきます。
長文失礼しました。