2026年8月18日、VA管理指導士 第1回認定試験の一次試験(筆記)の合格発表がありました。掲載されていたのは合格者の受験番号だけで、受験者数も合格率も出ていません。自分の番号を探して、無いことを確認して、しばらく画面を見ていました。
結果から書きます。落ちました。試験直後は7割は取れた感触だと書いていたので、正直まったく予想していませんでした。この記事では、公表された合格者162名という数字から合格率をどこまで絞り込めるかと、落ちた側から見えたこの試験の性格をまとめます。書いているのは臨床工学技士・透析技術認定士として透析室に立ち、第1回を受けて一次で不合格になった一人です。
- 第1回一次試験の合格発表で何が公表され、何が公表されなかったのか
- 合格者の受験番号から合格率をどこまで推定できるか(54.0〜59.8%)
- 体感7割で落ちた人間から見た、この試験の性格
- 落ちたあとの再挑戦の条件。講習会からやり直しになるのか
- 第2回を受ける人が、いま動いておくべきこと
編集部不合格の記事を自分のブログに載せるのは、正直あまり気が進みませんでした。
ただ第1回の情報は誰も持っていないので、落ちた側の記録もそれなりに価値があるはずだと思い直して書いています。
第1回一次試験の合格発表──合格者は162名
2026年8月18日、VA管理指導士認定制度協議会の公式サイトに「第1回VA管理指導士認定試験 一次試験(筆記試験)合格者」というPDFが掲載されました。一次試験は同年7月12日、東京・連合会館での実施です。
PDFに載っているのは合格者の受験番号のみ。末尾に「以上 162 名」と書かれています。
- 公表されたこと
-
合格者の受験番号一覧と、合格者数162名。
- 公表されなかったこと
-
受験者数、合格率、合格基準点、領域ごとの正答率。
※合格基準が「何点以上」の絶対評価なのか「上位何%」の相対評価なのかも示されていません。
個別の成績通知についても、公式サイトでの案内はありません。自分が何点で、どこを落としたのかは分からないまま次に向かうことになります。
受験番号から合格率を絞り込む
合格率は出ていませんが、合格発表のPDFには手がかりが残っています。受験番号がそのまま並んでいるからです。
合格者は162名。PDF末尾に明記されています。ここは推定の余地がありません。
合格者の番号を並べると、最小が26-001、最大が26-271。つまり少なくとも271名分の受験番号が発行されていることになります。
受験の前提となる第1回認定講習会は定員300名で、締切前に埋まりました。講習会を受けていない人は受験できないので、申込者は多く見ても300名を超えません。
分母を271〜300とすると、こうなります。
| 分母の置き方 | 計算 | 合格率 |
|---|---|---|
| 講習会の定員いっぱいが申し込んだ場合 | 162 ÷ 300 | 54.0% |
| 受験番号の最大値までしか発行されなかった場合 | 162 ÷ 271 | 59.8% |
| 当日欠席者を除いた実受験者ベース | 162 ÷ (271〜300 − 欠席者) | 上記より高くなる |
第1回一次試験の合格率は、おおむね54%〜60%。欠席者を差し引いた実受験者ベースなら6割前後だったと考えられます。
会場の空席も少しは影響します。私が座っていた周辺だけでも空席が数席ありました。全体でどれだけ欠席したかは分かりませんが、1割欠席していたと仮定すると実受験者は244〜270名、合格率は60.0〜66.4%まで上がります。
「上位6割が通ったのでは」という見方について
発表の直後から、X(旧Twitter)では「当日受験者の上位6割が合格したのではないか」という見方が出ていました。上の推定と矛盾しない数字ではあります。
ただしこれは、結果から逆算しただけの数字です。協議会は合格基準を公表していません。「上位6割」という相対評価の基準が実在するという情報はどこにもないので、そこは切り分けて読んでください。たまたま絶対評価の基準点に届いた人が6割だった、という説明でも同じ結果になります。
第2回で受験者数が公表されれば、この推定は確定値に置き換えられます。それまでは「6割前後らしい」という粗い解像度で持っておくのがちょうどいいと思います。
体感7割で落ちた──手応えと結果がずれた話
試験直後、私は受験記に「体感で7割くらいは取れたと思う」と書いていました。難しかったという感想も同時に書いていたので、楽観していたわけではありません。それでも、落ちるとは思っていませんでした。



『指導士』とつくだけの資格の重みを感じますね。
手応えと結果がずれたとき、原因は大きく2つに分かれます。体感の見積もりが甘かったのか、合格ラインが7割より上だったのか。成績が開示されないので、どちらだったのかは分かりません。
ただ、自分の解答の中身を思い返すと、前者の可能性が高いと思っています。「これは合っているはず」と処理した問題の中に、根拠まで詰め切れていないものが混じっていた感覚があるからです。
特にエコーの実際の設定や調整、コレばかりはOJTと慣れに頼っていた部分でしたし、ガイドラインを読んでも体感として体得しにくいと思う面があり、この辺りの失点が響いたのかなと思います。
あとは数字を覚えきれていなかったことですかね、実際の問題でも5%ポピトンヨードとか地味な引っ掛けが多数混じっていました。
「普段やっているから大丈夫」が通用しない試験だった
あの日あの会場に集まったのは、VA管理に相当な自信を持って全国から出てきた人たちです。エコーを日常的に当てている人、シャントPTAに立ち会っている人、施設のVA管理を任されている人。そこで4割前後が落ちたことになります。



X上でも、この分野で名前の通った方から不合格の報告が続きました。
そう言っている私も落ちています。
母集団を考えると、この合格率は正直重いですね。
受けてみて分かったのは、実務の熟練だけでは足りない設計になっているということです。
- 用語の暗記では解けません。基準値やガイドラインの推奨を根拠として選ばせる問題が中心でした
- 理学所見、エコー評価、狭窄・閉塞への対応、感染管理のあたりが厚めです
- 奇をてらった出題ではありません。ただし範囲が広い。自施設で扱わない領域が必ず出ます
- 診療報酬など、臨床の手技から離れた領域も出題されます
自施設のやり方が身体に入っているほど、「うちではこうしている」で答えを選んでしまう場面が出てきます。問われているのはガイドラインや指針が何と言っているかなので、そこがずれると落とします。私はここを甘く見ていました。
結論として「普段からVA管理をやっているから、無勉強でもいけるだろう」──第1回を受けた実感として、これは通用しません。
落ちたあとはどうなるのか──再挑戦の条件
ここは、同じ立場の人がいちばん知りたいところだと思います。結論から書くと、講習会からやり直しにはなりません。
- 認定講習会は受講日から3年間、再受講が免除されます
- その期間内は受験資格が維持されるので、かかるのは受験料15,000円のみ
- 第1回の講習会は2026年4月受講なので、2029年4月まではこの枠が使えます
- 3年を過ぎると、講習会の受講(申込は2月)からやり直しです
講習会費と受験料を合わせると初回は3万円台からになるので、再挑戦が受験料だけで済むのは大きいです。落ちたショックのわりに、財布へのダメージは限定的でした。
二次試験のVA管理レポートは来年に持ち越し
二次試験は5症例分のVA管理レポート提出です。第1回は2026年10月下旬の提出予定なので、一次を通った162名がいまそこに向かっています。
一次で落ちた側にとって、これは1年先送りになるということです。ただ、レポートの材料は日々の症例からしか作れません。来年になってから慌てて集めるより、いま担当しているVAの所見と判断を記録に残しておくほうが確実です。



落ちた1年をレポートの仕込み期間にできる、と考えることにしました。一次を通った人達のフィードバックを待つことにします。
私がこの1年でやること
成績が開示されない以上、弱点を推測で埋めるしかありません。私は次の順でやり直します。
- ① 一次資料を通しで読み直す
-
日本臨床工学技士会『臨床工学技士のためのバスキュラーアクセス日常管理指針(改訂第2版)』と、日本透析医学会のVAガイドライン。前回は必要なところを拾い読みしていました。
- ② 自施設で扱わない領域を先に潰す
-
自施設は透析専門のクリニックであり、手術ができるような環境がありません。つまりシャント作成やVAIVTの実際を一切知りません。
また施設によっては臨床検査技師が機能評価をするため、臨床工学技士は形態評価だけという施設も当然あるでしょう。先ほど自施設で扱わない領域が必ず出ますと強調したように、全てを作成・管理・維持を一手に担う透析施設というのはなかなかないものです。
- ③ 「なぜその値なのか」で覚え直す
-
基準値を数字として覚えるのではなく、その値を境に何が変わるのかまで。根拠を選ばせる出題形式に対応するにはここが要ります。
- ④ 症例記録の精度を高める
-
二次試験のレポート用に何をどう評価したか、しっかり書き残せるようにします。
- ⑤自分に足りないものを補う
-
私としてはもう少しエコーの設定・手技について学ぶべきだと感じました。というのも私の施設は臨床検査技師がシャントに一切関与していないため、上司も私も手探りでシャントエコーを立ち上げたということもあり完全に独学なんですよね。この辺りは参考書で学ぶべきかなと思います。
第2回を受けようか迷っている人へ
ここまで読んで「思ったより難しそうだ」と感じた方もいると思います。それでも受ける価値はある、というのが落ちた側からの見立てです。
2月の講習会申込を逃すと、その年は受けられない
第1回は、講習会の申込が2月15日〜3月15日、講習会が4月、試験が7月という日程でした。定員300名は締切前に埋まっています。
試験が7月なので「そろそろ準備しようか」と考え始めるころには、入口の申込がとっくに終わっています。第2回の日程はまだ出ていませんが、年明けに一度、協議会の公式サイトを見るという習慣をつけておくのが現実的だと思います。
日程・費用・定員は回ごとに変わります。最新の情報はVA管理指導士認定制度協議会の公式サイトで必ずご確認ください。この記事の内容は2026年8月18日時点で確認できた第1回の実績です。
合格率6割は、対策すれば届く数字でもある
4割落ちると聞くと身構えますが、裏を返せば6割は通っています。しかも第1回は公式テキストも過去問もない状態での受験でした。第2回は、第1回の受験者が出す情報を使えるぶん条件がいいはずです。
資格そのものの位置づけ、受験資格、費用の内訳、試験の中身については別記事にまとめてあります。まずここから読んでもらうのが早いと思います。


当日の会場の様子、時間配分、持ち物、講習会からの逆算スケジュールは受験記のほうに書きました。
出題領域ごとの予想問題と、直前チェック用の模試も公開しています。私自身が第1回のために作ったものなので、第2回に向けても素材としては使えるはずです。




よくある質問
- VA管理指導士 第1回の合格率は何%でしたか?
-
合格率は公表されていません。2026年8月18日の合格発表で公表されたのは、合格者162名という人数と合格者の受験番号一覧だけです。ただし合格者の受験番号が26-001から26-271まで並んでいること、受験の前提となる認定講習会の定員が300名であることから、合格率は54.0%〜59.8%の範囲と推定できます。当日の欠席者を除いた実受験者ベースでは6割前後になると考えられます。
- 第1回一次試験の合格者は何名ですか?
-
162名です。VA管理指導士認定制度協議会が2026年8月18日に公表した「第1回VA管理指導士認定試験 一次試験(筆記試験)合格者」に、受験番号一覧とともに「以上 162 名」と明記されています。一次試験は2026年7月12日、東京・連合会館で実施されました。
- 不合格だった場合、翌年は講習会から受け直しですか?
-
受け直しは不要です。認定講習会は受講日から3年間、再受講が免除され、その期間内は受験資格が維持されます。第1回の講習会は2026年4月の受講なので、2029年4月までは受験料のみで再挑戦できます。3年を過ぎると講習会の受講からやり直しになります。
- 試験の成績や合格基準点は教えてもらえますか?
-
2026年8月18日時点で、個別の成績通知や合格基準点の公表についての案内はありません。合格発表は受験番号の掲載のみで、得点や領域ごとの正答率は分からない形になっています。合格基準が絶対評価か相対評価かも公表されていません。
- 第2回の日程はいつですか?
-
2026年8月18日時点で第2回の日程は公表されていません。第1回は講習会の申込が2月15日〜3月15日、講習会が4月(オンデマンド配信)、受験申込が5月〜6月上旬、一次試験が7月12日、合格発表が8月18日という流れでした。同じ時期に動くとすれば、年明けから公式サイトを確認しておくと間に合います。
- 一次試験に合格したあとは何をするのですか?
-
二次試験としてVA管理レポートを5症例分提出します。第1回は2026年10月下旬の提出予定です。その審査を経て認定となりますが、認定の時期は2026年8月18日時点で公表されていません。
まとめ
- 第1回一次試験の合格者は162名。合格率・受験者数・合格基準は非公表
- 合格者の受験番号(26-001〜26-271)と講習会定員300名から、合格率は54.0〜59.8%と推定できる。実受験者ベースなら6割前後
- VA管理に自信のある人が集まった母集団で4割前後が落ちている。実務の熟練だけでは足りない設計
- 不合格でも講習会は3年間有効。受験料15,000円のみで再挑戦できる
- 第2回を狙うなら、動き出すのは年明け。2月の講習会申込を逃すとその年は受けられない
合格発表の日に不合格の記事を書くことになるとは思っていませんでした。ただ、この試験がどれくらいの難易度で、落ちたあとに何が起きるのかは、実際に落ちた人間しか書けません。
VA管理は、透析室でいちばん毎日触れているのに、いちばん体系的に習う機会がなかった領域だと思っています。その穴を埋めるために作られた資格なので、受かるまでの過程そのものに意味があるという言い方もできます。少なくとも私は、講習会から試験までの半年で、自分がVAの何を見ていなかったのかがはっきりしました。



来年、同じ記事のタイトルを「合格しました」に変えて書き直すのが当面の目標です。
同じ日に同じ画面を見て落ち込んだ方、3年間は受験料だけで受け直せます。まだ2回チャンスがあります。
- VA管理指導士認定制度協議会「第1回VA管理指導士認定試験 一次試験(筆記試験)合格者」(2026年8月18日)
- VA管理指導士認定制度協議会「認定試験について」「認定講習会」
- 公益社団法人 日本臨床工学技士会 バスキュラーアクセス管理委員会『臨床工学技士のためのバスキュラーアクセス日常管理指針(改訂第2版)』
- 一般社団法人 日本透析医学会『慢性血液透析用バスキュラーアクセスの作製および修復に関するガイドライン』











コメント