新人と若手に求める社会人スキル①コミュニケーションスキル

さて、Moegiは新人教育や実習生指導に力を入れており、技士長からもお墨付きをいただいている程度には新人指導スキルがあると自負しております。

2024年度からは、更なる新人教育担当だけではなく、看護師向けの勉強会なども依頼をされるなど資料作成に追われており、嬉しい悲鳴とはこのことですね。

しかしながら、仕事の新人教育や、Moegiとしての学生さんからの質問を受ける際に、色々思うことが多くなってきました。

特にある事件??をきっかけに、その思いが強くなってきたので、「新人/若手に求めること」、そして、「指導者としてどうしたら良いか」の記事を執筆することにしました。

一個人としての意見として読んでいただければ幸いです。

本記事は学生社会人1年目新人若手向けとなっています。
医療従事者以外にも一読いただきたい内容となっております。

目次

ある事件とは?

そのある事件とは、質問箱に養成校の課題と思われる質問が届けられたのですが、もはや質問ではなく丸投げをされて唖然としたことがあったのです。

ご覧の通りですが、丸投げされた課題は、調べたらすぐに答えが出てくるものばかりです。

これにはかなり共感を得られたのか、かなりの方に読まれたようです。

養成校の先生より「これは悲しい。。。」、現役CEからは「こんなん調べたらするでてくる」、「こんな人に患者は任せられない」・・・のような意見をいただいております。

流石の私でもこの質問には答えずに、DMで名乗り出てくださいと言ってしまいました。
結局、DMは来ませんでしたが・・・。

「最近の若者は・・・」と思われても仕方ない??

私が何を言いたいかといいますと、

楽して課題をクリアしても、医療従事者として現場で働くとなってから苦労する

ということです。

また実際問題、当院に入職した新人も、調べ方が分からなかったり、自分で調べずにすぐに答えを知りたがったり、そして調べてもコピペをしたような返事が返ってきたりと、

年々、新人の”検索能力“、”思考能力“、”他人へ自分の伝えたいことの言語化能力“が下がってきている

と感じています。

Moegi

「最近の若者は~」などと言うつもりはありませんが、「今の子達ってこんな感じだよね。」という話を先輩方とすることはあります。

ほぼほぼボランティアのようなところはあるとはいえ、限度というものがあります

元々、私の指導スタイルとして、答えをすぐさま教えることはしません。

理解できるように、3割、5割、7割、そして答え合わせ・・・と段階的に質問に答えながら指導しています。

新人に求めるスキルとは?

筆者が考える、新人に求めるスキルは以下の3点です。

Moegiが新人に求めるスキル
  • 社会人としてのコミュニケーションスキル
  • 専門知識を向上させるためのスキル
  • 他人へ自分の伝えたいことの言語化スキル

この3点ですが、私が新人へ求めるスキルではありますが、逆に新人側が「どうやって身に付けたら良いのか・・・」という悩みの種でもあると思われます。

この記事では、「社会人としてのコミュニケーションスキル」について触れていき、解決の手助けになればと考えています。

社会人としてのコミュニケーションスキル

自称:コミュニケーションができない人とは?

医療業界に関わらず、営業で働く人には言わずもがな必要とされるのがコミュニケーションスキルです。

「コミュ力無いからやっていけるのかな・・・」とか、そういうことを言う人がいますが、私も対人は苦手です。
どちらかと言えば、上司達とは距離を取って、同期や後輩達と業務をしていく・・・というスタイルです。

持論ですが「コミュニケーションが~」って言っている人は結論として

その分野において、経験と知識が不足している

・・・からコミュニケーションができないのです。

なぜなら、

コミュ力が無い無いと言っているそこのアナタ、
友達とゲームやアニメ、趣味の話ならいくらでも話せますよね?

つまりはそういうことなんです。

友達というのは、最初はぎこちない関係ですが、話しているうちに「こいつはこういうことには興味あるな」、「こういうの言われるのが嫌いだよな」と接する時間が長くなるほどに、悪い言い方をすると「攻略」するわけです。

これがコミュニケーションスキルに第一に必要な「経験」です。
経時的に「この人はこんな人だな、だからこういう接し方をしよう」となるのです。

そして、第二に必要な「知識」について。

友達とゲームやアニメの話をするときは饒舌に、テンション上げて会話しますよね?
それは、共通の話についての知識を持っているからです。

自分の知らない話題になると、途端に静かになるのは「その話題に対する知識を持ち合わせていない」からです。

新人のコミュニケーションスキルが高い低いかは、幼少期や学生時代にどれだけの人に接してきたかという経験値と、どれだけその分野の勉強をしてきたのかというところによると考えます。

Moegi

恋愛も苦手?
それも同様で、幼少期と学生時代の行動範囲が広かった人が有利でしょうね。

コミュニケーションができる = 仕事ができるという訳ではない!!

コミュニケーションスキルは経験と知識によると言いました。

社会人1年目時点でコミュニケーションに不安を抱えている新人には為す術もないということなのでしょうか?

指導者の立場となって話すと、確かに新人からコミュ力を持ち合わせていると、休憩時間でも雑談で盛り上がることもでき、上司の中でも印象は良くなるのは仕方ありません。

会話ができるのが、仕事のできる新人なのでしょうか?

答えはNOで、会話をするだけのコミュニケーションが出来るだけの人間は会社には必要としません。

ただ会話ができるだけで、進捗やミスを報告しない、情報共有をしない、自分で全部やろうとして失敗する・・・
そんなコミュニケーションのあるだけの新人は最終的には評価は下がり、必要とされなくなってゆくのです。

新人と若手に求めるコミュニケーションとは

さて、ここまでくればお察しかと思われますが、新人および若手に求めるコミュニケーションスキルとは・・・

報・連・相

です。

私からすると、課したタスクをこなしてもらえれば最低限良いと考えます。

飲み会やで遊びに行くなど個人的な付き合いで必要なコミュニケーションは別です。

会話というコミュニケーションが苦手でも、仕事をする上で最低限のコミュニケーションでタスクをこなせてもらえる方が良いのです。

そして、上司達はコミュニケーションを苦手とすることを踏まえて仕事を割り振ってもらえるようになります。
ただ、良い上司達がいる職場であるということが大前提ではありますが・・・。

Moegi

あ、当然ですが、いくら会話が苦手と言えど、患者さんとはしっかりとコミュニケーションを取ってくださいね。
対患者コミュニケーションは必須です。

“報・連・相”とは

報・連・相”とは、ご存知の通り「報告」、「連絡」、「相談」の3要素の頭文字を取ってまとめたビジネス用語です。

発祥は1982年にある某証券会社社長が始めたとされていますが、現在においては社会人として基本的でかつ不可欠なコミュニケーションスキルとされており、多くの新人研修でも取り扱われています

私としては、「艦隊これくしょん」・・・通称艦これで、「職場において、連相報(連装砲)が重要!!」と賑わったのを覚えています。

Moegi

艦これはだいぶとハマっていましたね。

報告

“報告”とは

上司に仕事のタスクに関しての結果や成果を伝えること。

つまりは進捗報告のことですが、報告と言っても内容は様々ですね。

勉強会の資料作成、マニュアル作成および改訂、業務拡大による業務立ち上げなど色々なタスクが課されることがあると思われます。

当然仕事ですから、タスクには期限/期日を設定されます

新人や若手に多いのが、この期限/期日を守らなくて怒られてしまうといったケースでしょうか。

期限を守るのは社会人としての最低ラインのルールです。

期日直前に、「あの~、○○の件ですが、全く進んでおりません。」と相談されても、上司としては「何で今になってそんなこと言うの?もっと定期的に相談してくれよ。」ということになります。

進捗状況の報告というのは、状況把握の役割とアドバイスをもらう機会でもあるのです。

あるタスクを任せられたのであれば、最低でも期日までの中間報告をすべきであり、例えば1ヶ月ごとに定期報告をすることを推奨します。

Moegi

進捗報告・・・私も若手の頃は良く注意されました。

連絡

“連絡”とは

業務や所属している部署に関わるスケジュールや情報を周知すること。

“連絡”は言い換えると「情報共有」ということです。

知っておかないと業務を遂行する上で支障が生じる事柄を周知する・・・ということですが、例えば以下のようなことです。

  • 新デバイスの導入、デバイスの仕様変更
  • 機器アップデート
  • 説明会/勉強会/セミナーの日程
  • 同治療での医師ごとのルール化、またはルール変更が生じた

・・・などなど他にもありますが、どれも知らされていなくて、いきなり対応しろと言われても「何のこっちゃ、こんなの聞いていない!!」となります。

部署として・・・チームで業務をしていく必要があるので、情報共有は都度実施しましょう。

Moegi

私は職場のグループチャットで情報共有を良くします。

相談

“相談”とは

疑問点、質問、トラブルが発生した際に、解決案やアドバイスをしてもらうこと。

新人にとって、一番難しい要素かもしれません。
相談するにも本当の意味で、コミュニケーション能力が試されます。

とはいえ、新人が自己解決できる内容は知れています。
相談して助けてくれない上司は、そもそも上司に問題があるからです。

自己判断や自己解決が困難なトラブルが生じた際は、相談するかどうか迷うくらいなら相談しましょう

特に治療に関わる疑問やトラブルはすぐに相談すべきです。
患者に不利益が被り、アクシデント発生なんて大変どころの話じゃ済まされません。

ただし、相談内容にも注意しなければなりません。
知識面の相談の場合、事前に調べてから相談をしないと、「質問してくる前に調べた?」ということになります。

このことは、事項でも触れますが、上司は何でもかんでもすぐに教えてもらえるという考えはやめておいた方が良いです。

Moegi

相談しても助けてくれない上司なんて・・・それはパワハラです。

さいごに

以上で新人と若手に求める社会人スキルのコミュニケーション編についてでした。

繰り返しになりますが、「報・連・相」は基本的な社会人です。

期限を守る、情報は周知する、疑問やトラブルは報知しない・・・というのは、社会人として最低限守るべきことです。
仕事上、最低限必要なコミュニケーションは取るようにしましょう。

次回パートは「専門知識向上スキル」です。

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この記事を書いた人

職歴
現大学病院勤務
取得資格
臨床工学技士(CE)、ITE 心血管インターベンション技師、ME1種検定試験

得意領域
カテーテル、アフェレシス、内視鏡、機器管理

大学病院での幅広い勤務実績をもとに、臨床工学技士業務全般執筆しております。
1児のパパでもあり、子育て情報も発信していけたらと思います。

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