【新シリーズ】内視鏡CE 基礎講座 — はじめに —

お待たせしました、新シリーズです。その名も「内視鏡CE 基礎講座」です。

「内視鏡CE」とはなっていますが、CEに関わらず、看護師、放射線技師、検査技師なども関わりがあると思われます。是非とも参考にしていただきたいです。

内視鏡の記事について

当ブログの内視鏡記事では、内視鏡担当を始めた初学者、内視鏡に興味がありどんなことをしているのか気になる方などをターゲットとしております

最前線でESDをされているCEさんや内視鏡技師さんにはかなり物足りなかったり、ツッコミを入れたくなるような記事になるかもしれませんがご容赦願います。

内視鏡領域は、まだまだCEが介入して発展させられる領域であり、これから内視鏡業務をCEが立ち上げていく施設様がチラホラと見受けられます。

「ウチではこういう工夫をしている」、「当院でESDの縫縮はこういう手法をしている(ex:野村先生のROLMなど)」などといった貴重なコメントをお待ちしております。

目次

はじめに 内視鏡と臨床工学技士について

さて、最近は内視鏡業務に関わる臨床工学技士(CE)が増えてきたのではないでしょうか。
Moegiの病院でも内視鏡業務に介入してまだ10年も経っていないです。

うちの技士長は「これからは内視鏡の時代がくるぞ」と仰っているように、まだまだ介入していく余地はあると思います。

このシリーズを始める理由は、

①内視鏡関連の授業が養成校でほとんど触れられないということ
②内視鏡業務について知ってもらうこと

が主な理由です。

内視鏡CEの人口は?

内視鏡業務はCE業務の中でもまだまだ担当しているCEが少ないのが現状です。

日本臨床工学技士会の業務アンケートによりますと、内視鏡業務に携わっているCEは全体の3.7%しかいないようです。

そして、Moegi自身が実施したTwitterアンケートによるとやりたいけど施設では内視鏡業務に介入していないという方が多かった印象です。(n=9だったので、結果画像は省略)

内視鏡業務に介入している施設が少ないのも内視鏡CEが少ない原因ですね。

日本臨床工学技士会「臨床工学技士の業務実態調査 2020 結果の概要」
https://ja-ces.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2021/02/90300aef634c827a54d48d596afc595f.pdf

講座内容は?

気になる講座内容についてですが、消化管の解剖から内視鏡システムについてなど基礎知識を深める内容にしたいと考えます。最終的には「消化管内視鏡技師」資格取得対策となる内容にしたいと考えます。

また、幸いMoegiの施設ではまだ出回っていないシステムやデバイスをデモやサンプルで扱っていることが多いですので、最新情報などをご紹介できたら良いなと考えています。

内視鏡とは

それでは、本編へ入りたいと思います。

本シリーズでいう内視鏡とは、いわゆる胃カメラや大腸ファイバーといった軟性鏡を使用する内視鏡です。
手術室で使用する内視鏡は、硬性鏡であり、いわゆるラパロ(腹腔鏡手術)やda Vincin(ダ・ヴィンチ)にて使用していますが、本シリーズでは扱いません。

内視鏡検査室では、上部内視鏡検査、下部内視鏡検査、胃や大腸の治療を実施しています。
各内視鏡検査で何を行っているかの解説は順次執筆していこうと思います。

硬性鏡
OLYMPUS社:https://www.olympus.co.jp/jp/news/2007a/nr070612enteroj.html?page=ir

軟性鏡
OLYMPUS社:https://www.olympus-medical.jp/gastroenterology/scope/cf-ez1500

内視鏡メーカーについて

内視鏡のメーカーに関してはご存じの方が多いと思われます。
世界トップシェアのオリンパス(OLYMPUS)、次いで富士フィルム(FUJIFILM)ペンタックス(PENTAX)となるでしょうか。

なんと、上記3社で世界シェアの9割を占めているそうです。
日本で、じゃないです。世界シェアです。

内視鏡メーカー≒カメラメーカー

また、メーカー名を聞いて分かるように、カメラのメーカーですね。そりゃ、内視鏡のレンズとか作れますよね。

他に腹腔鏡手術などでしようされる内視鏡システムを出されているメーカーとして、StrykerやSTORZなどが存在します。私の手術室にも上記5社のメーカーのシステムを配置されています。

Moegi

ちなみに関係無いのですが、Moegiはオリンパスのカメラを所有しています。
・・・祖業なのに売却されて悲しいです。

編集部

スマホの台頭でカメラの国内市場は年々縮小傾向にあるのが現状ですからね・・・
みんなで国内メーカーのカメラ買い支えましょう(なおNikon機所有)

内視鏡は口から?肛門から?

内視鏡検査といっても、いわゆる大腸カメラや胃カメラと呼ばれていますが、それぞれどこまで検査するのでしょうか。

上部消化管検査

上部消化管検査、いわゆる胃カメラのことですが、口または鼻から内視鏡スコープを挿入します。
どこまで挿入するのかと言いますと、通常の胃カメラでは食道と胃を通過して、十二指腸まで挿入します。

上部消化管検査部位

下部消化管検査

次に下部消化管検査、こちらは大腸カメラと一般的に呼ばれていますね。
肛門から大腸用内視鏡スコープを挿入し、通常は盲腸のバウヒン弁を少し超えて回腸末端まで確認します。

下部消化管検査部位

小腸は?

小腸に関してですが、長い上に挿入が難しいので、事前情報無しに内視鏡スコープを挿入して検査することはありません。まずはカプセル内視鏡を飲み込んでもらい検査して、小腸の口から近いのか、肛門から近いのかを予め確認してから、ダブルバルーン小腸内視鏡検査(DBE:double-balloon endoscopy)を実施します。DBEに関してはおいおいですね・・・。

オススメの参考書

Moegi

内視鏡関連のMoegi選定のオススメ参考書をご紹介します。

詳細を開く

消化器内視鏡技師のためのハンドブック

消化器内視鏡技師のためのハンドブック」はそのタイトル通り、内視鏡に関わるスタッフのための参考書です。
システムの話から手技の話、洗浄の内容まで網羅されています。
内視鏡技師のテキストといって差し支えないでしょう。

消化器内視鏡の機器・器具・デバイスはこう使え!

内視鏡デバイスの解説を写真と図表でわかりやすく解説されています。

本書は2017年発売のため、新しいデバイスやシステムは未掲載であるため、私もデバイス解説の記事を考えています。

症例から学ぶ 内視鏡医・内視鏡技師のための大腸腫瘍診断・治療

この本は内視鏡医のみならず、内視鏡室で業務をされるCEやNsにもオススメな1冊です。

JENT分類など様々な内容が詰まっています。
クイズ形式で実例提示もされており非常に理解しやすい内容となっております。

上部消化管内視鏡診断アトラス

上部編です。

内視鏡業務では介助者として入りますが、どういう病変なのか、過形成?、adenoma?など理解してやるかどうかで楽しさが変わります。

「CEさん、目が肥えてるね」って言われるのはやっぱ嬉しい。

消化器内視鏡技師試験問題解説〈V〉

消化器内視鏡技師の試験問題の解説集です。
第31回~第36回の試験問題と解答・解説を収録されています
問題ごとに解答の解説だけではなく、問題に関連した情報も図解や表とともに掲載されているので、とても頭の中に残りやすいです。

さいごに

まずは新シリーズの紹介記事でした。

最近は内視鏡に興味を持たれる方が増えてきているように思えます。実際に担当してみると面白いですし、外科ではなく内科的な雰囲気なので、先生方との会話など楽しめる雰囲気にあるのですぐに馴染めそうではあります(もちろん、例外な先生はいますよ・・・?)。

次回は、内視鏡室でのCEの役割を執筆したいと思います。

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CEじゃーなる おすすめ書籍紹介

Moegi

我々CEにとっては内視鏡業務はまだまだ新しい領域で先任者も少ないです。そこで自己研鑽のためにおすすめの書籍を紹介いたします。

そのタイトル通り、内視鏡に関わるスタッフのための参考書です。 システムの話から手技の話、洗浄の内容まで網羅されています。 内視鏡技師のテキストといって差し支えないでしょう。
内視鏡デバイスの解説を写真と図表でわかりやすく解説されています。 本書は2017年発売のため、新しいデバイスやシステムは未掲載であるため、私もデバイス解説の記事を考えています。
この本は内視鏡医のみならず、内視鏡室で業務をされるCEやNsにもオススメな1冊です。 JENT分類など様々な内容が詰まっています。 クイズ形式で実例提示もされており非常に理解しやすい内容となっております。
内視鏡業務では介助者として入りますが、どういう病変なのか、過形成?、adenoma?など理解してやるかどうかで楽しさが変わります。 「CEさん、目が肥えてるね」って言われるのはやっぱ嬉しい。

また実力をつけ職場の中で認めてもらうには資格取得が一番効率がいいでしょう。
消化器内視鏡技師」習得には「過去問題集」を繰り返し解くことをお勧めしております。

消化器内視鏡技師の試験問題の解説集です。 第31回~第36回の試験問題と解答・解説を収録されています 問題ごとに解答の解説だけではなく、問題に関連した情報も図解や表とともに掲載されているので、とても頭の中に残りやすいです。

この記事を書いた人

職歴
現大学病院勤務
取得資格
臨床工学技士(CE)、ITE 心血管インターベンション技師、ME1種検定試験

得意領域
カテーテル、アフェレシス、内視鏡、機器管理

大学病院での幅広い勤務実績をもとに、臨床工学技士業務全般執筆しております。
1児のパパでもあり、子育て情報も発信していけたらと思います。

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