皆さん、内視鏡業務を楽しんでいますかー?
内視鏡業務にある程度携わっていると、「そろそろ内視鏡技師でも取得しようかな?」と1つステップアップをしてみようかなと検討されてる方がいらっしゃると思います。
私の内視鏡技師取得にあたり、日本消化器内視鏡学会公式HPの案内、内視鏡技師の受験資格についてまとめることにしました。
本記事は、消化器内視鏡技師に関する日本消化器内視鏡学会公式HPのまとめ記事となります。
引用元は全て下記に示すHPですので、各種引用元は割愛させていただきます。
消化管内視鏡技師とは
消化器内視鏡技師(以下、内視鏡技師)は、日本消化器内視鏡学会が認定している認定制度です。
内視鏡技師の存在意義に関して、「消化器内視鏡技師制度規則」には以下のように記されています。
本制度は消化器内視鏡診療の進歩と普及にともない、一般社団法人日本消化器内視鏡学会(以下「本学会」という。)の責任において、医学基礎知識と内視鏡の専門知識と技術を備え、かつ積極的に消化器内視鏡業務(第12条)に従事する消化器内視鏡技師を養成し、学識技能の優秀なものを資格認定し、消化器内視鏡診療及び研究の円滑をはかることを目的とする。
というわけでまとめると、
内視鏡技師とは、内視鏡に関する”知識“と”技術“を備えて、”積極的に“消化管内視鏡業務に従事する者
であり、
内視鏡診療と研究のサポートをする学識技能優秀な者
ということになります。
個人的意見ですが、「取得できるかな何となく取得してみた」とか、どこかで見かけた「◯◯なんて興味ないからやらない」・・・なんていうなんちゃって内視鏡技師は単なる自己満足でしかありません。
患者さんのため、そして術者の先生を全力でサポートすることを意識して取得してほしいと思います。


“日本消化器内視鏡学会”とは別に”日本消化器内視鏡技師会”が存在しますのでご注意ください。
消化管内視鏡技師の業務は?
内視鏡技師の業務というのは、特段別途定められているわけではありません。
ただ、内視鏡業務のspecialistとして、患者さんに対して安心・安全のできる医療を提供できるよう心掛け、かつ内視鏡チームの一員として専門性を遺憾なく発揮して業務に臨むことが重要かと思います。
臨床工学技士の内視鏡業務指針とは別に、「消化器内視鏡技師業務指針」も存在しますので、是非一読してみてください。
消化器内視鏡技師の人口は?
内視鏡技師の人口内訳は以下の通りです。
- 看護師(保健師・助産師含む) ・・・ 15,377名
- 准看護師 ・・・ 1,487名
- 臨床検査技師 ・・・ 1,108名
- 臨床工学技士 ・・・ 659名
- 放射線技師 ・・・ 138名
- 薬剤師 ・・・ 2名
- その他医療資格有資格者 ・・・ 200名



流石に看護師は圧倒的人数ですが、臨床工学技士がジワジワと増えてきている感じでしょうか。
受験資格
では、内視鏡技師の受験資格について順次みていきましょう。
以下のもの全ての要件を満たしていることが必須条件となります。
- 指定の医療関連法定資格の所有
- 一定期間の内視鏡業務の経験(満2年以上)
- 消化器内視鏡技師学会の出席(2回以上)
- 指定の「機器取扱い講習会(基礎編)」の受講(1回以上)
- 医学講義の受講(合計20時間以上)
- 指定数の消化器内視鏡介助(年間100件以上)かつ認定専門医による介助実績の証明
- 認定専門医による推薦取得
医療関連法定資格の所有
以下のいずれかの医療関連法定資格の所有が必要です。
- 臨床工学技士
- 看護師(助産師・保健師を含む)
- 准看護師
- 衛生検査技師
- 診療放射線技師
- 臨床検査技師
- 薬剤師
内視鏡業務の経験
内視鏡業務経験年数が満2年以上必要ですが、消化器内視鏡学会認定専門医が勤務していないといけません。
過去5年以内に、消化器内視鏡学会認定の専門医(非常勤含む)が従事する施設で、内視鏡に従事した勤務年数が満2年以上であること。
※他部門勤務期間や専門医不在期間は無効
※受験申請時に満2年以上であることが必要
消化器内視鏡技師学会の出席
申請時点で技師会・技師会各支部主催の「消化器内視鏡技師学会」または「消化器内視鏡技師研究会」に2回以上出席していることが必要です。
- 申請する年から遡って5年以内の出席に限る
- 参加証紛失の場合は無効
- 機器取扱い講習会、医学講習会、講演会、懇話会、フォーラム、各種セミナー、内視鏡学会総会や支部セミナー及び支部例会などは対象外
本年の開催スケジュールは技師会ホームページをご確認ください。
「機器取扱い講習会(基礎編)」の受講
申請時点で技師会が承認する「機器取扱い講習会(基礎編)」を1回以上受講している必要があります。
eーlearningも可能です。
- 申請する年から遡って5年以内の出席に限る
- 受講証紛失の場合は無効
- 各種研究会、講演会、トレーニングコース、機器取扱い講習会実践編、消化器内視鏡技師会の承認のない機器取扱い講習会は対象外
本年の開催スケジュールやeーlearningについては技師会ホームページをご確認ください。
医学講義の受講
所定の受講方法で以下の医学講義を合計20時間以上受講している必要があります。
【消化器内視鏡に関する基礎(20時間以上)】
- 内視鏡学総論
- 内視鏡検査と診断
- 内視鏡的治療
A:勤務先在籍の本学会専門医より受講
B:消化器内視鏡技師会が開催またはeーlearning配信している医学講義を受講
※AとBの合算が可能
- 申請する年から遡って5年以内の受講に限る
- カリキュラムの詳細は「医学講義カリキュラム」を参照
- 受講方法【A】と【B】の合算が可能
- 受講方法【B】は「医学講義受講証」が交付され、この交付をもって医学講義受講と認められる。eーlearning受講の場合は視聴かつ確認テストをクリアすると受講証明書のダウンロードが可能になり、受講完了と認められる。いずれも、証明書に記載の時間が受講時間としてカウント可能。
- 技師学会や技師研究会などに参加・演題聴講しただけでは医学講義受講とならないため注意
本年の開催スケジュールは技師会ホームページ(開催一覧はこちら / eーlearningはこちら)をご確認ください
消化器内視鏡介助経験数と介助実績証明
以下の部位項目における申請者本人の消化器内視鏡介助症例数の合計が年間100件である必要があります。
- 上部消化管(検査・処置)
- 下部消化管(検査・処置)
- 胆・膵(検査・処置)
- 日本消化器内視鏡学会認定専門医より上記の介助実績の証明書が必要
- 介助件数の申告は、原則直近1年間の介助件数に限る
- ただし、直近1年間が休職・無職・専門医不在施設に勤務の場合は、過去5年以内の年間介助件数を申告する
認定専門医による証明及び推薦取得
日本消化器内視鏡学会認定専門医より推薦及び証明が得られる必要があります。
必要書類
提出書類一覧
毎年のように提出書類に不備がある事例が多数あるようです。
不備の申請書により申請期間内に受理できない事例もあるようですのでよく確認しましょう。
- 消化器内視鏡技師受験申請書・職歴
- 業績目録
※技師学会・技師研究会・機器取扱い講習会(基礎編)の参加証や受講証明書コピーの添付が必要 - 消化器内視鏡部門の勤務証明書
※施設代表者(病院長・理事長)もしくは所属する診療部・診療科の指導責任医師(部長や教授に限る)からの証明が必要 - 消化器内視鏡講義受講・消化器内視鏡介助実績証明書
※日本消化器内視鏡学会認定専門医からの証明が必要
※技師会開催の医学講習会に参加またはeーlearning配信の医学講義を受講した場合は受講証明書コピーも同封 - 推薦書
※日本消化器内視鏡学会認定専門医からの推薦・証明が必要 - 受験料振込証明書の添付用紙
※受験料振込証明書のコピーを申請書⑥に貼付 - 指定医療関連法定免許証の写し
受験申請書類について
受験申請書類は、日本消化器内視鏡学会HPより配信期間内にダウンロードが可能となっています。
例年8月〜9月中の配信となっております。
内視鏡技師試験 日程表
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受験料・認定料
- 受験料:10,000円
- 支払方法:指定口座へ振り込み, 手数料は申請者負担
※申請期間内に講座番号は掲載される
※申請受付期間内に振り込まれないと、受験申請の受理はされない
- 認定料:10,000円
- 支払方法:学術試験後に指定先へ納付
※技師会年会費が含まれる
※詳細は合格通知に同封される
学術試験
- 試験日程:3月
- 試験方式:CBT方式(120分, 100問, 選択式)
- 試験会場:CBT試験運営会社指定のテストセンター(オンライン予約)
合否通知
- 書類審査合否通知:12月中旬頃
- 学術試験合否通知:4月下旬頃
さいごに
以上で内視鏡技師についてのまとめでした。
現在、内視鏡技師試験の試験対策の準備に取り掛かっています。
それなりの時間を要しますので、気長にお待ちください。
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